金沢と言っても、石川県ではありません。
金沢清水(かなざわしみず)は、岩手県八幡平市松尾寄木にある湧水群の総称で、全部で7ヶ所あります。
岩手山と八幡平の間を流れる松川沿いに点在する金沢清水は、岩手山の伏流水であると言われています。
湧水量3.4万トン/日
と豊富な湧水量があり、その中で最大の湧水量を誇る座頭清水は岩手県内水面水産技術センターによってニジマス、ヤマメ、アユ、ヒメマスなどの養殖や研究に利用されています。
座頭清水の源泉は森の中にあり、立ち入りは禁止されていますが、フェンス越しに見ることはできます。
一部の水は岩手山上部の宅地化が進んだため、加熱せずに飲用することができなくなってしまいましたが、岩手県内水面水産技術センター付近の湧水は飲用に利用することが可能です。
この湧水は、通年12度前後のミネラル分の多い硬水で、浄水道にも使用されている他、「岩手山の天然水」として販売もされています。バナジウムが豊富に含まれていることが特徴です。
岩手山の天然水1ケース(2リットルボトル×6本)有機ゲルマニウムやバナジウムが豊富 |
古くは(今でも)座頭清水と呼ばれていました
幾つかの言い伝えが残っていますが、中でも「座頭清水」という名称の由縁ともなったのは、座頭となった鬼がこの水で洗い清めたところ眼が見えるようになったという言い伝え。それだけ古くから地元の人に大切にされてきた湧水だということを表しています。
また、七つの頭を持つ蛇龍が地表に頭を出した場所で「蛇頭清水」としたのが変化して「座頭清水」となったという説もあるそうです。大昔、岩手山からの土石流などに苦しめられたのかも知れません。
坂上田村麻呂が蝦夷征討の折に血染めの刀を洗った太刀清水
金沢清水から北北東に約10kmの位置に長者屋敷太刀清水があります。この湧水は、坂上田村麻呂が蝦夷征討の折に血染めの刀を洗ったと言われていて、それが太刀清水と呼ばれる由縁となっています。
こちらは日本の名水百選ではありませんが、「いわての名水20選」に選定されています。
こちらも金沢清水に引けを取らない豊富な水量。