ナイベツ川湧水は、北海道千歳市西郊の支笏火山灰台地から湧き出し、蘭越浄水場の東端で千千歳川と合流する内別川の周辺に点在する湧水群を指します。現在60数カ所の湧水地点が確認されています。
支笏湖のカルデラが形成された42,000年前の支笏火山で噴出した支笏軽石流堆積物層を通った雨水が湧出います。
内別川のなかでも源流(源頭部)の湧水量は0.15m3/sもあって、内別川全流量の20%がこの1箇所から湧き出しています。
まれにみる豊富な湧水量と水質により1985年に名水百選に選定されました。
名水百選に選定された記念事業として、1989年には蘭越浄水場に隣接して「名水ふれあい公園」が開設されました。
心配されるナイベツ川湧水の汚染
日本の名水百選の選定基準は「保全状況が良好」「地域住民等による保全活動がある」であることでしたが、残念なことにナイベツ川湧水には汚染の危機が迫っています。
流域の北には陸上自衛隊千歳・恵庭演習場があり、千歳川との合流地点の北にはザ・ノースカントリーゴルフクラブがあります。
せっかくの湧水群も雨水を濾過する支笏軽石流堆積物層が破壊されたり、支笏軽石流堆積物層へ汚染物質が流入するようなことがあれば、水質の汚染が起こる恐れがあります。
流域でこれ以上の環境破壊が進まないことを祈っています。